清水敏の弁理士日記

知的財産関係のニュースと、実務的心覚えとをつづる。実務的情報については、できるだけ元情報の所在を記載する。
<< 2017/03/14 日曜日にかんもどきをつくる | main | 2017/03/16 冬のシャワー >>
2017/03/15 期限の話
0
    今日は期限の話をふたつ。

    2017年2月28日に出願した件について、事務方から質問があった。審査請求期限は出願の3年後だから、2020年2月28日だと思うのだが、期限管理のソフト上では2月29日になっている。これは間違いではないか、というのだ。ちなみに2020年はうるう年だが、2月28日は金曜日である。

    これは、期限管理のソフトが正解。特許法第3条に以下のような規定がある。

    第三条  この法律又はこの法律に基く命令の規定による期間の計算は、次の規定による。
    一  期間の初日は、算入しない。ただし、その期間が午前零時から始まるときは、この限りでない。
    二  期間を定めるのに月又は年をもつてしたときは、暦に従う。月又は年の始から期間を起算しないときは、その期間は、最後の月又は年においてその起算日に応当する日の前日に満了する。ただし、最後の月に応当する日がないときは、その月の末日に満了する。
    2  特許出願、請求その他特許に関する手続(以下単に「手続」という。)についての期間の末日が行政機関の休日に関する法律 (昭和六十三年法律第九十一号)第一条第一項 各号に掲げる日に当たるときは、その日の翌日をもつてその期間の末日とする。


    第1項第1号の規定により、審査請求期限の起算日は2017年3月1日である。審査請求期限は出願日から3年という規定なので、第2号の規定により、この期間は、最後の月(つまり2020年3月)において、その起算日に応答する日(3月1日)の前日(2020年はうるう年なので2月29日)に満了する、ということである。したがって、正解は2020年2月29日である。もっとも、この日は土曜日なので、第2項の規定により、実際の期限はこの2日後の月曜日、2020年3月2日となる。

    次にヨーロッパの話。

    拡張ヨーロッパサーチレポートに関する規則70(2)及び70a(2)の通知が2017年2月24日にEPOから発送された旨の連絡が現地代理人から来た。現地代理人書簡には、この応答期限は延長不可の2017年9月6日である、と記載されていた。これについて、なぜこうなるのか分からない、という質問を受けた。ヨーロッパでは、通知の送達日は発送の10日後ということを考慮しても、2月24日から6ヶ月と10日たった日は3月3日で、この日が日曜日であることを考慮しても3月4日ではないか、というのである。9月6日とは2日ずれている。

    これも現地代理人が正解。ヨーロッパ実務では、庁から郵便または電子的に出願人に向けて発送された通知は、その日から10日後に出願人に送達されたものとみなされる(規則126(3)、127(2))。この場合の起算日は上記事例では2月24日の翌日の2月25日となり、送達はその日から10日後の2017年3月6日ということになる。期間の計算は日本と同じなので(規則131(2)(3))応答期間の起算日は3月7日であり、この日から6ヶ月後の同じ日付である9月7日の前日が期限となる。すなわち、応答期限は2017年9月6日である。

    要は、10日間の猶予期間を最初に計算し、その後から6ヶ月を計算するか、6ヶ月後を計算してから10日を足すか、の違いである。前者が正解。本件の場合、2月が28日しかないのに対して8月が31日まであったために期限の計算の日付に相違が生じたということである。

    期限についてはうろ覚えで計算すると大けがを負うことがあるので、いつも法令を見て慎重に計算しなければならない。だから、期限の計算に疑問を持つのは非常に大事なことなのである。

    2017/03/15 世界の知財関連情報

    2017/03/15 日本の知財関連情報

    2017/03/15 世界の知財関連のニュース
    | 清水敏 | 知財実務 | 07:59 | comments(0) | trackbacks(0) |









    http://sspo.jugem.jp/trackback/1391
     123456
    78910111213
    14151617181920
    21222324252627
    28293031   
    << May 2017 >>
    + RECOMMEND
    + RECOMMEND
    + RECOMMEND
    + RECOMMEND
    + RECOMMEND
    + RECOMMEND
    + RECOMMEND
    + RECOMMEND
    パターン・レコグニション
    パターン・レコグニション (JUGEMレビュー »)
    ウィリアム ギブスン
    東京・ロンドン・モスクワを舞台にした、パターン認識技術を商売にする日本人弁理士で、オタク好きかつSF好きなら是非読むべき小説。
    + RECOMMEND
    + SELECTED ENTRIES
    + RECENT COMMENTS
    + RECENT TRACKBACK
    + CATEGORIES
    + ARCHIVES
    + 研修のお知らせ
    (大阪中心)知財イベントカレンダーをご覧下さい。(別ウィンドウが開きます。)
    + 本の紹介
    + MOBILE
    qrcode
    + LINKS
    + PROFILE