清水敏の弁理士日記

知的財産関係のニュースと、実務的心覚えとをつづる。実務的情報については、できるだけ元情報の所在を記載する。
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「GUZZILLA」は無効
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    今日はイギリスからの代理人と会う予定。

    今日の審決取消請求事件は「ゴジラ(GODZZILA)」に関する判決である。原告は東宝株式会社であり、被告は「GUZZILLA」という登録商標を持つ。被告はまた「SUPER GUZZILLA」なる名称でロボット重機を用いて宣伝活動を積極的に行ない、シューティングゲームの敵役として使用することを許諾し、「SPACE GUZZILLA」の使用を開始した。原告は、被告の商標は商標4条1項15号、19号及び7号により無効であるとして無効審判請求をしたが認められず知財高裁に訴えた。

    知財高裁は、商標法4条1項15号にいう「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標」、及び「混同を生じるおそれ」の有無の判断に関して最高裁平成10年(行ヒ)第85号同12年7月11日第三小法廷判決・民 集54巻6号1848頁)を引用し、

    「本件商標と引用商標とは,称呼において相紛らわしいものであっ て,外観においても相紛らわしい点を含む。」
    「引用商標は周知著名であって,その独創性の程度も高いとい うべきである。」
    「本件指定商品に含まれる商品の中には,原告の業務に係る商品と比較し た場合,性質,用途又は目的において一定の関連性を有するものが含まれている。」
    「本件指定商品の取引者及び需要 者の中には,原告の業務に係る商品の取引者及び需要者と共通する者が含まれる。 そして,商品の性質,用途又は目的からすれば,これら共通する取引者及び需要者 は,商品の性能や品質のみを重視するということはできず,商品に付された商標に 表れる業務上の信用をも考慮して取引を行うというべきである。」

    と認定した。さらに、

    「『混同を生じるおそれ』の有無を判断するに当たっての各事情について,取引の実情などに照らして考慮すれば,本件指定商品に含まれる専門的・ 職業的な分野において使用される機械器具と,原告の業務にかかる商品との関連性 の程度は高くない。しかし,本件商標と引用商標とは,称呼において相紛らわしいものであって,外 観においても相紛らわしい点を含む。また,引用商標は周知著であって,その独 創性の程度も高い。さらに,原告の業務は多角化しており,本件指定商品に含まれ る商品の中には,原告の業務に係る商品と比較した場合,性質,用途又は目的にお いて一定の関連性を有するものが含まれる。加えて,これらの商品の取引者及び需 要者と,原告の業務に係る商品の取引者及び需要者とは共通し,これらの取引者及 び需要者は,取引の際に,商品の性能や品質のみではなく,商品に付された商標に 表れる業務上の信用をも考慮して取引を行うものということができる。」

    「そうすると,本件指定商品に含まれる商品の中には,本件商標を使用したときに, 当該商品が原告又は原告との間にいわゆる親子会社や系列会社等の緊密な営業上の 関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の 業務に係る商品であると誤信されるおそれがあるものが含まれるといわざるを得な い。」

    「加えて,被告は,本件商標の商標登録日以降ではあるものの, 我が国における周知著名な商標と相紛らわしい「ガリガリ君」や「STUDIO G ABULLI」との文字から成る商標につき商標登録出願もしている(甲139~ 142)。これらの被告の行為は,本件商標の商標登録出願時において,本件指定 商品に本件商標が使用されれば,引用商標の持つ顧客吸引力へのただ乗りやその希釈化を招く結果を生じかねなかったことを間接的に裏付けるものといえる。」

    「このように,本件指定商品に本件商標が使用されれば,引用商標の持つ顧客吸引 力へのただ乗りやその希釈化を招く結果を生じかねないから,被告の主張は採用できない。」

    と述べ、本件商標は商標法4条1項15号に該当するとして、審決を取り消した。混同のおそれに関する客観的な基準に加えて、商標権者の悪意も参酌した判決といえる。




    CAFC



    SUNPREME INC. v. US [OPINION] 6-14-2018

    MODA HEALTH PLAN, INC. v. US [OPINION] 6-14-2018

    LAND OF LINCOLN MUTUAL HEALTH v. US [OPINION] 6-14-2018

    BROAD OCEAN TECHNOLOGIES, LLC v. NIDEC MOTOR CORPORATION [Panel ORDER] 6-14-2018

    BROAD OCEAN TECHNOLOGIES, LLC v. NIDEC MOTOR CORPORATION [ORDER] 6-14-2018




    EPO



    Online Filing software – new update now available

    Improvement to the security of our online services




    USPTO



    US Mission to WIPO/WTO

    Heads of the World’s Five Largest Intellectual Property Offices Meet in New Orleans

    10 million patents: A celebration of American innovation




    特許庁新着情報



    特許の審査基準のポイント

    平成30年度特許庁産業財産権制度問題調査研究「産業競争力強化に資するデザインの適切な保護に関する調査研究」(仮称)の仕様書(案)の公表について




    知財判例サイト



    平成29(行ケ)10214  審決取消請求事件
     商標権  行政訴訟 平成30年6月12日
     知的財産高等裁判所


    平成30(ネ)10009  損害賠償等請求控訴事件
     不正競争  民事訴訟 平成30年6月7日
     知的財産高等裁判所
     東京地方裁判所

    | 清水敏 | 知財実務 | 07:39 | comments(0) | trackbacks(0) |









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    そこで調べて見た。一般財団法人国土技術研究センターによると、世界における日本の国土の占める割合は0.28%だそうだ。Wikipediaでは0.25%と記載されている。ここは国土技術研究センターを信用したい。一方、内閣府によると、日本の災害被害額が世界の災害被害額に占める割合は16%だそうだ。この数字はちょっと古いが、それでも大筋で15〜20%という値は正しそうだ。
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