堂島特許事務所の日常(堂島亭日乗)

知的財産関係のニュースと、実務的心覚えとをつづる。実務的情報については、できるだけ元情報の所在を記載する。弁理士の仕事に関する話はあまり書けないことがわかったので、これからはただの日記にする。
日本弁理士会近畿支部・中国知的財産権セミナー終わる!
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    日本弁理士会近畿支部主催、支部国際情報委員会運営の「中国知的財産権セミナー」が終わりました。
    このセミナーの講師他の詳細についてはこのページを参照。

    中国語で通訳が入るため、少し時間が足りなかったようだ。ただし、質疑応答では、支部会員の中で中国語が堪能(というか中国生まれ、中国育ちの弁理士)と、相手側の用意した通訳(といってもこれも中国専利代理人)とが、双方向で日中、中日の通訳を行なっていたため、非常にスムーズにできた。このように双方向の通訳が入るときわめて効率よく質疑応答ができることには驚いた。もっとも、そのためには結構準備が必要だったのだが。

    講師の方々、セミナーにご参集いただいた支部会員の方々、運営にご協力いただいた国際情報委員会のアジアグループの委員、それから近畿支部事務局の皆さんにお礼を申し上げます。

    ただし、講師の方にお土産でいただいたプーアール茶は、国際情報委員会委員長の特権で私がいただきました。申し訳ない。なにしろお茶の葉が型にあわせて固められていたので、分けるのがなかなか難しかったのです。ただし、私がいただくことについては、現場にいあわせた委員の了解を得ましたので、お許しください。プーアール茶はやせるのにいいともいうし。

    何はともあれ、今後もこうした催しを開催していきたいと思う。今年度はEPOのBoard of Appeals の裁判官たちを迎えたEPC2000のセミナーと、中国の知的財産権セミナーとの開催ということで、タイムリーな企画ができたと思う。

    来年度は、継続出願の実務変更がらみでまず米国関係のイベントでも行なったらどうだろうか、という提案でもしてみようか。それ以外にも提案があればいつでも歓迎します。

    それにしても、国際情報委員会の委員の方々にはボランティアで大変お世話になりました。若くてイキのよい会員がたくさんいて助かります。
    | 清水敏 | イベント | 19:08 | comments(0) | trackbacks(0) |

    2/6-2/26の情報
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      過去21日間の情報


      2007-02-26
      中国関係の英語サイト
      (China)

      中国の知財に関する情報ページとしてかなり充実しているように思う。

      2007-02-23
      Australia -Fee Changes from 1 March 2007
      (Australia)
      料金変更のお知らせ
      オーストラリア、1000人目の弁理士登録
      (Australia)
      私の登録番号は9993である。同期には10000番もいる。なんにせよめでたい。
      「地域食品ブランド表示基準制度」(本場の本物)の平成18年度ブランド認定について
      (農林水産省)

      2007-02-18
      Board of Appeal and Interferences "Informative Opinions"
      (USPTO)
      米国特許庁の審判部の審決のうち、参考になるものを集めたページらしい。

      April 2007 Revision of Patent Cooperation Treaty Procedures, Notice of proposed rule making (16Feb20
      (USPTO)
      PCT規則の改正に伴う施行規則の改正案


      2007-02-14
      「英語が使える日本人」の育成のためのフォーラム2007 国際教育推進フォーラム2007の開催について
      (ウェブ)


      2007-02-09
      Mowser trap "obvious"
      (UKPO)

      2007-02-08
      Patents granted in China in 2006
      (China)
      Mehr Patente von Chinesen im Jahr 2006
      (China)
      International Patent Filings At Record High; Rapid Asian Growth
      (ウェブ)
      United States and Australia to Extend Cooperation on Patent Search and Examination Services
      (USPTO)
      Patentable Subject Matter: Professor Hricik Discusses Duffy's Textualism
      (US)
      RECORD YEAR FOR INTERNATIONAL PATENT FILINGS WITH SIGNIFICANT GROWTH FROM NORTHEAST ASIA
      (WIPO)
      Community Plant Variety Office - Plant Variety Rights Case Law Database
      (EU)
      EUの植物育種権?のデータベース
      | 清水敏 | 知財実務 | 20:43 | comments(0) | trackbacks(0) |

      【知財高裁】「平均粒径」という語では一義的にその意味が決まらないとした特許取消決定が取り消された例
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        平成17年(行ケ)第10661号 特許取消決定取消請求事件

        原告は「水架橋性不飽和アルコキシラングラフト直鎖状低密度エチレンーアルファーオレフィン共重合体の製造方法及び水架橋成形物」という特許第3456774号の特許権者である。

        この特許に対し特許異議の申し立てがあり、特許庁は、本件特許の特許の請求の範囲の記載について、触媒担体及びグラニュラー状物の平均粒径を特定の範囲に限定しているが、明細書において、この平均粒径について、その測定法について記載がなく、平均粒径には様々な種類があるのであるから、いずれの意味の平均粒径かは不明であり一義的に決まるものではない、として本件特許を取り消した。出願人は知財高裁に審決取消しの訴えを提起した。

        裁判では、本件重合方法は、出願当時に周知のユニポール法によるものであることがあきらかで、ユニポール法では、担体及び生成物の「平均粒径」を「ふるい分け法」によって測定するのが当業者にとって通常であるから、そのように理解するのが自然かつ合理的であるとして、決定を取り消した。

        なお、元の取消し決定では、決定の根拠の1つとして「別件判決」として東京高裁平成17年3月30日判決・平成16年(行ケ)第290号を挙げている。この判決と同日に出された同一当事者の別の判決についてはすでにその内容を紹介しているが、そこでは元の取消し決定のいうように、単に「平均粒径」と記載されているだけではその意味は不明である、と判示されている。

        今回の判決は、同じ「平均粒径」という記載しかない場合であっても、当業者にとってどのような意味であるかについての通常の理解がされるのであれば、一義的にその意味として理解することが適当である、としたものである。その点はたしかに別件判決でも留保の記載があった。

        教訓
        ・明細書を書く際には、使用している用語の意義について確認し、複数通りに解釈される余地があれば、できるだけ定義を与えておくこと。
        ・不幸にして、一義的に意味を決めることができない、という拒絶査定または審決を受けたら、当業者にとってその用語を一義的に理解することが通常である、とする反論を、適切な証拠を挙げながら行うこと。
        ・先の判例中で自己の主張にとって都合のよい判示事項があっても、その適用は事情により異なる。特に、先の判決の判示の際の留保事項に注意しておくこと。
        | 清水敏 | 判例 | 00:05 | comments(0) | trackbacks(0) |

        徴税権力―国税庁の研究
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          評価:
          落合 博実
          文藝春秋
          ¥ 1,500
          (2006-12)
          国税局の資料調査課というところは、課税を目的として、大口・悪質事案の摘発をするところだそうである。今年から所得税の税率が低くなってはいるけれど、あいかわらず税金を払おうとしない人はたくさんいるらしい。特に、いわゆるにわか成金と呼ばれるような人の場合、かなりの率で税金に持っていかれるのが気に食わないのだろう。

           そこで、資料調査課の出番となる、というわけである。この本は、その資料調査課も含めた、国税庁と国税局との活動の実態を明らかにしている。

           かつて、今はなき金丸信・自民党元副総裁の脱税事件の摘発があったときに、金の延べ棒が出てきたということで話題になった。しかしあの金の延べ棒の持ち主が金丸信氏本人ではなく、奥さんの持ち物だったとは知らなかった。それ以外にも、東京国税局に摘発された有名人の事例だとか、新聞社にも調査が入り、修正申告を余儀なくされたとか、興味を引く話題には事欠かない。

           税務署がどのような人を相手にしているかを知りたい向きには格好の教科書である。

           我々のような弁理士の場合、普通にまともな仕事をしていれば、収入は100パーセント税務署に把握される上、売上の10パーセントという率で源泉徴収されるので、売上をごまかすようなことはまずできない。その上、経費の大部分は人件費なので、これもまともに考えればごまかしようがない。というわけで、私からすると、特許事務所で脱税なんていうことは不可能だと思われる。

           であるにもかかわらず、特許事務所は脱税のワーストテンによく名前があがるそうだ。いや、これはこの本に書かれているわけではなく、ネットでよく話題になったりしているのである。ただし、その原因は上記したような意図的なごまかしではなく、例えば外国代理人への立替払いを立替払いと認めてもらえなかったとか、期末にあげるべき売上を翌期にあげた、とかで、いわゆる「税務署との見解の相違」というのが多いらしい。

           我が事務所も、こんな「見解の相違」が生じるのはいやなので、できるだけ税務についてはきっちりしているつもりだが、それでも昨年の税務調査では申告漏れを指摘され、追徴課税を受けてしまった。これも退職制度のための保険金をどのようにあつかうか、についての「見解の相違」によるものだが、それでもン十万円が追徴されたのは、正直言っていたかった。それ以来、あいまいなところはできるだけ税理士の先生にお願いをして明らかにしながら処理をしている。

           念のために申し上げておきたいのだが、私は税務署に反感は全く持っていない。むしろ、適切に税金を払っていないところからはきっちりと徴税をしてほしいと思っている。ただ、弁理士のように毎日一生懸命に手間仕事をし、しかも外国代理人に対する多額の立替金を負担しながら、特許庁への手数料を支払うために、利息もつかないのに特許庁に多額の予納金を納めたりして事務所の運営をしていると、やはり売上の10パーセントの源泉徴収は、事務所を運営していく上でとても痛いのである。

           今年も確定申告のシーズンになった。私の申告は、今日か明日に、税理士の先生に税務署に書類を持っていっていただいて終わりになるはずである。そして、3月には還付金がはいるはず。ただしこの還付金も、増額される住民税と、息子の大学の授業とにはかなく消えてしまう運命にある。
           
           確定申告の時期に、多額の税金が追徴された他人の事例を見て溜飲を下げたい人に勧める。溜飲が下がっても、自分の払う税金が減るわけではないので、★4つである。
          | 清水敏 | 図書 | 18:33 | comments(0) | trackbacks(6) |

          ソクラテスの弁明・クリトン
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            「ソ、ソ、ソクラテスもプラトンも、みんな悩んで大きくなった」というのは、ある年齢以上の人であれば良く知っている文句だ。最近の若い人は知らないだろうが。「太った豚よりもやせたソクラテスになれ」という文句も有名だ。最近の若い人は知らないだろうが。
            ところで、「世界の中心で愛を叫ぶ」という本は、元の題名が「ソクラテスの憂鬱」(*注)で、全く売れなかったそうである。いや、本にする前に出版社の人に書名を変更させられたのかな?このあたりは少しあいまいである。一方、「世界の中心で愛を叫んだけもの」という本もある。少し前まではこれがジェームズ・ティプトリー・ジュニアの作品だったと思い込んでいたが、実はハーラン・エリスンの作品だったことに最近になって気がついた。若い人は知らないだろうが。

            なぜこんなことをいうかというと、要するに「ソクラテス」という名前が最近の若い人には全く縁がなさそうだ、ということをいいたかったのだった。

            だが、この本はやはり一読の価値がある。起源前のギリシャということだから、当時はラジオもテレビもましてやウェブもない。ソクラテスは、やはり人まねではなく、自分の頭で考えた人に違いない。そのソクラテスが以下にしてほとんど自ら望んで死への道を選んだか、その思考の経過が現代人にもそのまま通じるように感じられ、興味深い。

            「私は何も知らないが、私が何も知らないということを知っている。」という、ソクラテスが自分の優れた点を述べた言葉は、そのまま現代人、特に常に新しい事物に触れる弁理士にとって、あるべき姿としてあてはまりそうである。

            とにかく、古典とはいえ読みやすい。量も多くはない。暇を見て読んでおくべき本だと思う。

            (*注)「憂鬱なソクラテス」が正しいと妻に指摘された。訂正します。
            | 清水敏 | 図書 | 08:44 | comments(0) | trackbacks(0) |

            電気回路・システム入門
            0
              評価:
              斎藤 正男
              コロナ社
              ¥ 2,835
              (2006-09)
              電気回路に詳しくない人が、手っ取り早く電気回路に関して多用される概念を知るのに好適な書物。例えば化学関係の弁理士が電気回路関連の出願もするための準備として読むことが考えられる。

              全くの初歩から入門後程度の知識まで詳しく書かれているので、それほど苦労なしに理解できるのではないだろうか。もっとも、入門書だから、電気関係の弁理士が読むには簡単すぎる。あくまで基礎的な知識固めのための本。
              | 清水敏 | 図書 | 08:23 | comments(0) | trackbacks(0) |

              【オーストラリア商標】商標改正法のうちの第2部の施行日を決定
              0
                オーストラリア特許庁は、昨年10月23日に承認された商標法の改正のうちの第2部について、2007年3月27日に施行日を決定した。
                詳細についてはこのページを参照のこと。
                | 清水敏 | その他諸外国 | 09:26 | comments(0) | trackbacks(0) |

                各国の知的財産権関連リソースURL
                0
                  各国の知的財産権関連リソースのURL。判例集、法令集、知財関係のジャーナル、関連機関、特許弁護士、条約その他。
                  続きを読む >>
                  | 清水敏 | URL集 | 13:14 | comments(0) | trackbacks(0) |

                  ウェブページの名前
                  0
                    私がウェブページを最初に持ったのは、1994年だった。当時の予定は、日本の情報を外国に知らせることだった。そのためにある名称をそのページの名前として使用した。しかし、その後、仕事が忙しくなり、かつ雇われ弁理士だったこともあり、その内容について更新する暇もなくなり、書くべき情報についても制限が加わって、結局そのページをクローズした。

                    ページを開いている間、結構あちこちの代理人から連絡が来たものだが、雇われ弁理士のせいでそうした問合せに自由に答えることができず、くやしい思いをしたものだ。

                    最近、いろいろな意味で自由が利くようになったので、先の名前を利用してもういちどウェブページを開こうとおもったのだが、既に他の人に商標登録されていて、使用できないことが判明した。出願が1998年なので、私の方が使用時期はずっと早いのだが、残念なことをした。

                    そこで、いろいろと名前を考えているのだが、よい名前が思い浮かばない。現在思案しているところだ。
                    | 清水敏 | 知財実務 | 12:46 | comments(0) | trackbacks(0) |

                    【米国】米国の知的財産権制度に関するURL集
                    0
                      役所
                      米国特許庁
                      最高裁
                      CAFC

                      代理人
                      BSKB
                      MWE
                      HDP
                      Nixon & Vanderhye

                      ブログ
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                      IP-Updates
                      | 清水敏 | URL集 | 10:29 | comments(0) | trackbacks(0) |

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