堂島特許事務所の日常(堂島亭日乗)

知的財産関係のニュースと、実務的心覚えとをつづる。実務的情報については、できるだけ元情報の所在を記載する。弁理士の仕事に関する話はあまり書けないことがわかったので、これからはただの日記にする。
朝日警備保障=ASS
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    以前から、朝日警備保障の車が気になっていた。なぜかというと、車体に大きく「ASS」と書いてあったためだ。多分Asahi Security Serviceの略だと思うのだが、英語でASSといえば「ケツ」とか「アホ」という意味でしか使われない言葉だと認識していたので、それが車体に堂々と書かれていることに大きな違和感を感じていたのだ。

    今日の日本経済新聞の夕刊に、アーサービナード氏が同じことを書いていた。「何回見かけても、繰り返しその前を通り過ぎても、目に入ると必ず一瞬、汚い単語として認識されてしまう。」という。日本人の私でさえそう思うのだから、英語を母語としている人がそう感じるのも当然だろう。

    日本人は何でも略して頭字語にしたがるが、その語が例えば英語でどのような意味を持つかはちゃんと確認しておいた方がいい。企業イメージにもかかわるし、なによりもカッコ悪いでしょ。

    とはいうものの、日本人が外国の習慣等を知らないのもやむを得ないとは思う。上のようなことを気にしだしたら、英語だけでなくおよそアルファベットを使用する全ての言語についてチェックしなければならないことになってしまうので、現実的ではない。しかしせめて英語だけは調べた方がよい。辞書も手近にあるはずだし。

    そういえば、米国では屋内で傘をさすのはタブーだそうだ。今まで多くの本及び雑誌を読んできたが、そんなことを書いていたものは皆無だった。確か朝日か日経の記事だったと思うのだが、びっくりすると同時に、これで一つ賢くなったと思ったものだ。あまり訳には立たない知識だけれど。

    | 清水敏 | 身辺雑記 | 17:38 | comments(0) | trackbacks(0) |

    2008/04/25-2008/04/30の情報
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      2008-04-30
      3極による共通フォーマット(英語)
      (USPTO)
      日本、米国、EPOの3極会議で合意した特許出願フォーマット。日本の特許庁からはまだ発表されていないが、2009年始めには発表されるだろう、という。

      2008-04-28
      弁理士及び特許業務法人に対する経済産業大臣による懲戒処分に関する運用基準案に対する意見募集について
      (JPO)
      弁理士法改正に伴う、弁理士等の懲戒に関する運用基準についての意見募集である。
      2008年4月25日から2008年5月26日まで。

      「…先般改正された弁理士法では、…弁理士の依頼者の立場に立って幅広い観点から必要な措置
      を盛り込んでおり、その一部が本年4月から施行された。…懲戒制度については、厳格かつ適正
      な処分の実施が求められていることから、 以下のような運用基準を定めることとする。」

      という趣旨で、各措置の役割分担、 経済産業大臣による懲戒処分の基本的考え方 、処分の
      事由、処分の基本量定について、意見を求めている。
      前置報告を利用した審尋に対する回答書の書式について(更新)
      (JPO)
      前置報告を利用した審尋に対する回答書の書式は、通常の特許法施行規則等に様式が定められていないが、方式審査便覧124.01に説明されている「書式46」(審尋に対する回答書と同じ書式)により作成する。
      この書式は、電子出願ソフトサポートサイトよりダウンロードできる「ひな型」にある。「ひな型」には【回答事項】の欄があるが、この欄を記載する必要はない。
      このページにひな形が記載されている。


      2008-04-26
      A Day in the Life of an IP Blog-Meister
      (ウェブ)
      IP blogとして著名なIP-Katの投稿者の一人であるJeremy Phillips氏による、IP bloggerの生活に関するエッセー。

      IP-Katはいつもフレッシュで面白い情報をとても高い頻度で掲載しているが、やはりそれを維持するための生活というのはなかなかハードなものだと再認識。

      2008-04-25
      英国特許庁訴訟手続マニュアル
      (UKPO)
      英国における知財(特許及び著作権)関係の訴訟の手続マニュアル。英国特許法、特許法規則、審査マニュアル等へのリンクもあり。
      | 清水敏 | 知財実務 | 13:07 | comments(0) | trackbacks(0) |

      ビジネス・法律英語の基礎知識―ロースクール&MBAで成功するために
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        牧野弁護士による、米国の主としてビジネス関連の法律英語についての本である。前半は、英語の話というよりは、ロースクールでの体験をまとめたものだが、日本の学生と違う厳しい勉強生活がよく分かる。これ以外にも、前半には法律家、特に外国との交渉を行なう実務家にとってはとても貴重な話が多く、参考になる。
         ところが、残念なことに後半になって契約書で使用される文言などの解説が入ると、とおりいっぺんになってあまり参考にはならない。
         特に、知財関係は巻末にまとめられているが、記述が簡略な上に、ところどころ不正確と思える記載がある。例えば米国における「12ヶ月の猶予期間」(ワン・イヤールール、すなわちグレースピリオドのことと思われる。)が、1992年「以降」に導入された、とあるが、これは明らかな誤りだろう。残念ながら私はこのグレースピリオドがいつ導入されたのか、その正確な年は分からないが、ヘンリー幸田著、「米国特許法逐条解説」(1988年初版)には既にこのグレースピリオドの説明がある。
         ということで、こと知財関係に関する記載について判断すると、★1つ、せいぜい★2つということにする。ただし、前半の記載は特にこれから米国で資格を取得しようとする人には絶対に参考になると思う。
        | 清水敏 | 図書 | 08:30 | comments(0) | trackbacks(0) |

        国際出願関連のURL集
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          WIPOホームページ
           特許協力条約(PCT)のテキスト(英語)
           特許協力条約規則(PCT rules)のテキスト(英語)
           特許協力条約加盟国一覧(英語)
           Patent Scop (WIPO国際出願の国際段階のサーチ、包袋の閲覧等)
           国際出願に関するグロッサリー(英語)

          日本の特許庁の国際出願関連ページ
           国際出願関係手数料表
          | 清水敏 | 国際出願 | 10:42 | comments(0) | trackbacks(0) |

          こんなSEはいらない!
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            昨日、妻と三宮を散歩していて入った紀伊国屋で衝動的に買ってしまった本。かつての仕事を思い出して恐ろしくも懐かしい。よくあるSEの失敗話が多数乗っている。

            思えば、「SEでは40歳過ぎたら体力が持たない」と考えたのが転職⇒弁理士への道の第一歩だった。当時は午前3時、4時の帰宅は当たり前で結婚式の直前まで「連絡がつかない」と今の妻(今の妻の前に別の妻がいた訳ではありません。念のため)を困らせたものだった。

            弁理士になって、時間こそそこそこ規則的になったものの、精神的な重圧感は変わらない。自分で事務所を開いてからは、さらに重くなった。早食いで丈夫がとりえだった胃も、最近はしくしくと痛いという思いをするような気がすることが多くなったような気がしないでもない。最終的には自分の腕で期限までには何とかしなければならないという点で、この二つの仕事には共通する点があるような気もする。

            それはともかく。

            弁理士にとっては畑違いの本だし、直ちに仕事に役立つという本でもない。しかし、かつての記憶をまざまざとよみがえらせてくれたという点と、弁理士という仕事についてもそれなりに再考させてくれたという点で★4つにしておく。
            評価:
            岩井 孝夫
            日経BP社
            ¥ 1,470
            (2007-11-26)

            | 清水敏 | 図書 | 07:28 | - | - |

            米国特許クレーム入門―要点解説
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              米国弁護士、日本弁理士(特許庁出身)が書いた米国特許出願のクレーム作成に関する入門書である。所属はWeserman, Hattori, Daniels & Adrian, LLP. 服部氏も特許庁出身の日本では著名な弁護士である。

              第1章は米国特許クレーム作成の上で必要とされる基礎知識、第2章はクレーム作成の注意事項、第3章は明細書作成の基本事項、第4章、第5章はクレーム解釈、最後に資料、と言う構成である。

              クレーム作成上の知識について、一通り、分かりやすくまとめられている。これから米国出願を使用とする初心者にとっては有益だろう。また、米国クレームの作成方法はほぼそのまま日本でのクレーム作成にも適用できるから、日本出願でのクレーム作成においても基礎知識を習得するための参考書として役立つと思われる。

              ある程度の経験がある実務家にとって、新しい情報はそれほどないと思われるが、手持ちの知識の再確認として有効かもしれない。

              なお、悪名高き5/25ルールについては、差止になったことについては全く勘定に入っておらず、規則がそのまま施行されたことを前提とした記述がされているので、誤解のないようにしたい。



              | 清水敏 | 図書 | 07:16 | - | - |

              英国知財庁 2007年年報はホラー系漫画
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                英国知財庁が2007年の年報を発行している。

                年報といっても、全編これマンガ形式だ。しかもそのキャラクターのデザインがすごい。Filament Fredという名前だそうだ。ハッピョンもある意味すごいと思ったが,日本の特許庁からはこんな絵柄は出てこないだろう。なんというか、ブラックなというか、奇妙なというか、日本人の感覚とはずいぶん違うように感じられる。どちらかというとホラー系?

                日本の役所ではこんなのはだせないでしょう。セント君でもあれだけうるさかったし、現状でも役所への風当たりが強いのに、お金を使ってマンガなんて…てな批判がありそうだ、と考えて自主規制でしょうね。本当はやりたい人だっているだろうに。


                | 清水敏 | ヨーロッパ | 11:49 | comments(0) | trackbacks(0) |

                「孔雀女」と「鳳凰男」
                0
                  人民日報日本語ネット版に、「『孔雀女』と『鳳凰男』の結婚はどうして難しいのか?」と題した記事が載っている。記事によると、「『鳳凰男』とは農村部の貧困家庭に生まれ、長年にわたる苦節を経て大学に入学、最終的に都市へ移り住んだ男性を指す。一方の『孔雀女』とは、都市家庭に生まれた一人っ子であり、幼い頃から恵まれた環境の中で、大切に育てられてきた女性を指す。」そうである。

                  いかにも両者は一緒に暮らすのが難しそうだ。一緒に暮らすとなると、生活のスタイルがお互いにはっきりと分かるから、多少とも不一致な面があるだけでも大変なところに、このように成長時のバックグラウンドが全く違うとなると、さずむずかしいだろう。

                  私は典型的な「鳳凰男」なのに対して、嫁さんは「都市家庭に生まれた一人っ子」なので、どちらかというと「孔雀女」に近い。なのにどうして今のところ大きな破綻なく暮らしているか。それは人徳でしょうね。誰の、とはいわないが。
                  | 清水敏 | 身辺雑記 | 11:07 | comments(0) | trackbacks(0) |

                  特許からみた日本の技術競争力 −平成19年度特許出願技術動向調査結果から−(経済産業省・特許庁)
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                    2008-04-24
                    特許からみた日本の技術競争力 −平成19年度特許出願技術動向調査結果から−
                    (経済産業省)
                    「ディーゼルエンジンの有害排出物質の低減技術」「ヒートアイランド対策技術」「メタンハイドレート」「自然冷媒を用いた加熱冷却」「固体廃棄物及び汚染土壌の処理技術」「バイオセンサ」「幹細胞関連技術」「半導体の機械加工技術」「カラオケ関連技術」「電子ゲーム」「バイオメトリック照合の入力・認識」「光伝送システム」という12テーマについて、各国別の出願数、国・地域間の出願傾向等についての調査結果(平成19年度)。

                    前年度までの分も含めた要約版が特許庁ホームページに掲載されている。
                    | 清水敏 | 知財実務 | 08:13 | comments(0) | trackbacks(0) |

                    波のしくみ (ブルーバックス 1575)
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                      評価:
                      佐藤 文隆,松下 泰雄
                      講談社
                      ¥ 903
                      (2007-11-21)
                      海の波から光子まで。およそ波といわれるものについて、割合に分かりやすく、概略が解説されている。数式も結構出てくるが、それほど悩まずに済む。何しろ波というのは物理の世界では東の正横綱みたいなところがあるので、この本だけで分かった気になるなんてことはあり得ないが、文系の人には少なくとも入り口のあたりについてはそこそこ分かった気になるのではないだろうか。

                      フーリエ変換なんて言葉が出てくるが、文系でもその名前くらいは知っているだろう。最近、私はCTスキャナのお世話になっているが(8月にもう1度お世話になる予定。)、その原理についてもごく簡単に解説がされている。

                      その他、波にまつわる様々な逸話が詰め込まれていて、読み物としても結構楽しい。理系プロパーでない人に勧める。
                      | 清水敏 | 知財実務 | 19:09 | - | - |

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