2015.03.06 Friday
「を防止できる」と「が防止できる」 どちらを選ぶ?
原稿の見直しをしていて、迷ったことがある。それは、実施の形態の効果の記載で、「◯◯することにより、×を防止できる」という記載を、「◯◯することにより、×が防止できる」と修正するかどうかということに関する。どちらでもよいような気がするが、調べてみるとこれについては研究している人が結構いるようで、いろいろな文書が出てきた。要するにどちらでも良いのだが、動詞によってかなり傾向が違うらしい。
動詞を可能形にしたときに目的語を示す助詞として「を」をとるか「が」をとるかを統計的に調べた研究がある。残念ながら「防止」の結果は出ていなかったが、例えば「愛する」の場合、「が」は0例なのに対し「を」は10例あったという。「上げる・挙げる」の場合は13と4、「いう」は92と46、「いただく」は4と25、「窺う」は45と2、「防ぐ」は4と11、「踏む」は0と3、「省く」は25と0など。詳細についてはこの文書を参照のこと。
動詞によってもかなりばらつきがあるし、人によってもかなり違うらしい。ということで、今回は「を防止できる」はそのままにした。個人的には「が防止できる」の方がしっくり来るのですが。